経験のない災害

7月に入り、武雄も警報が毎日のように出ていましたが、

全国各地で被害が出てしまいました。

おもやいとしても令和元年から応援してくださっている場所が

被害を受けてしまったので、まずはそちらの応援に向かいました。

内水氾濫ですが山や川からの土砂がたくさん道に溜まっていました(久留米市田主丸)

令和元年は10ヶ月、令和3年も半年以上車中泊しながらおもやいを支えて

くれた【コミサポひろしま】のメンバーの方が田主丸で被災されたため

物資や資機材を積んで高速は通行止めだったので下道で現地へ。

着くと自分の家は床下浸水だから後回しだ、と周りのお家へ泥だらけで汗だくに

なって駆け回る彼の姿が。きっと全国にそんな彼に助けられた方がいるのでしょう。

石川や広島、鹿児島からも仲間たちが彼を心配して駆けつけました。

筑後川と巨瀬川に挟まれた場所ですが「今まではこんな所まで上がってきたことがなかった」「生まれて初めて」という声をたくさん聞きました。

近年災害がなかったからこそ水災保険に入っておらず不安を訴える方もいらっしゃいました。

フードバンクさがさんなどから預かったすぐに食べられるものを袋詰めして配りました(久留米市田主丸)

大分県日田市の大鶴地区も令和元年に半年以上おもやいをお手伝いしてくださったご夫婦がいらっしゃいます。おもやいボランティアセンターがボランティアさんを募集したのは2019年9月7日からなのですが、そのボランティアさんに使っていただく資機材を前日の9月6日に2tダンプいっぱいに積んで持ってきてくださったことをよく覚えています。

2019年9月6日。この資機材のおかげですぐに活動を始めることができました

平成29年には家の天井まで土砂に埋まって、ユンボを家の中に入れて復旧作業をされたと聞いていたためとても心配していましたが、今回は床下浸水で済んだそうです。

『地域力を下げないお手伝い』というお話をされていて、地域でなんとかできていたかもしれないことをボランティアがやりすぎることによって助け合う力を無くしてしまうかもしれないことを危惧されていました。

この日は地元の皆さんが「よし、ここまで手伝ってもらったからあとは俺たちも頑張ろう!」と思ってもらえるよう、心が折れないような背中を押すようなお手伝いをしようということで川から田んぼに水を引き込む水路が土砂で埋まっていたので掘り起こす作業をお手伝いしました。家だけでなく、収入源でもあり大切な我が子でもある田んぼを守るのも立派な活動!地元の若いお兄さんたち3名と一緒に一番きついであろう場所の掘り起こしを進めました。作業をしていると近所の人が見にきたり、ユンボが入れるように手伝ってくださったり…

隣を流れる川が氾濫しましたが、普段はとても綺麗な川です(日田市大鶴)
川の美しさに癒されながらも、水の力、自然の怖さを感じました(日田市大鶴)

佐賀県唐津市七山はおもやいに軽トラを寄付してくださったり、困った時にすぐに駆けつけてくださるお寺さんがいらっしゃいます。

今こそ恩返し!と思い駆けつけましたが、武雄ではあまり経験したことのない

土砂崩れという全く異なる災害で、正直最初は何かお力になれることがあるのだろうか

とも思いました。

しかし、でくっことをでくっしこ(できることをできるだけ)の精神のおもやい。

たくさんのボランティアさんと一緒に一つ一つ土砂を取り除き、外に出せるものは出しながら片付けを進めています。

社会福祉協議会からのボランティアさんと一緒に活動(唐津市七山)
土砂で埋め尽くされたキッチン(唐津市七山)

2日目はおもやいスタッフとおもやいの募集に集まってくださったボランティアさんという少数での活動でしたが、普段営業をされている女性の方は家主のお母さんとお話をしながら一つ一つ選別しながら仕分け、普段土木現場で現場監督をされている男性の方は土嚢を作ったりブルーシートかけなどの力仕事、元看護師の方には持病を持たれている家主さんに食べ物や生活のアドバイスをしながらボランティアの体調にも気がけていただきました。午後からは翌日から雨が続く予報が出ていたので区長さんや近所の皆さんと一緒に裏山の養生をしました。地元の皆さんはとても手際がよく、水みちを掘る時もとっても上手!「あー、私は修行が足りんですね!」と言うとおじちゃんたちに笑われました。

ご自分の家や農地も被災された方ばかりなので、終わるとすぐに「家ばせんばけん」と帰られたのですが、地元の方だけでは大変なこともボランティアがお手伝いすることで少しでも負担が減っていたらいいなぁと思います。七山は半農半林業の家が多く、ユンボなどの重機を持ってらっしゃる方も多く、自分たちでできることは自分たちでやるという意識が高いように感じます。働き方に関しても『疲れ切るまでやらない、しっかり休憩をとりながらやる、分業することで効率をよくする』ということが徹底されているように感じました。かえって勉強になることが多く、たくさんのことを学ばせていただいています。

地元の方の手際のいいこと!(唐津市七山)
山からの水の流れを計算しながら作業(唐津市七山)

佐賀県内では神埼市脊振でも活動しています。

令和元年からずっと支えてくださっている西九州大学OKBASEの地元ですが被災件数が少なく災害救助法も適用となっていません。

OKBASEの岡部先生も床下に潜って清掃しています(神埼市脊振)
土が飛んでこれ以上汚さないように養生して清掃しています(神埼市脊振)

お盆にはお孫さんも帰ってくるようなのでなんとか明日までに畳が入れられるようにしたいと考えています。ボランティアに興味のある方はおもやい(0954-33-0444)までお電話をお待ちしております!

今回は防災つぶやきというか被災地のお話になってしまったのですが、

「生まれて初めて」という方ばかりで、本当に日本全国どこで災害が発生しても

おかしくない時代になったのだと改めて感じた1ヶ月でした。

どうか他人事とは思わずに、来週接近が予想される台風の対策もこの週末を使って

しっかりとなさってください。これ以上被害が広がりませんように。

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