災害の時に困るもの

災害の時にないと困るものってなんだと思いますか?

電気、飲み物、食べ物・・・色々あるけど武雄で被災された方から

聞いた意見で一番多かったのは

『トイレ』でした。

「不安でトイレが近くなるけどトイレが浸かって我慢した」

「トイレに行けないから水を飲むのを我慢した」

「何が一番困ったって、トイレに行けんとが一番困った」

令和元年の水害の後、そんな声をたくさん聞いていたので

おもやいの事業の一つでもある全国から寄せられた寄付金を使って

作った『おもやい防災あんしんセット』には段ボールトイレをつけました。

ただ、この段ボールトイレ、作り方が簡単なものは強度が弱いし強度が強いものは作るのが難しい。

そこで、配布するときに「必ず災害が来る前に作り方を練習しておいて」

「作り方が分からなければおもやいが作るから、それを2階にあげておいて」

とお願いしながら配布をしました。

そんな配布を続けて1年とちょっと経った令和3年8月。

またも大災害!

8月13〜14日にかけて水が引かず動けなかったのですが、

翌15日に地区単位で令和2年に防災セットに加入した朝日町高橋地区を

歩いてまわりました。

令和3年8月15日の午前中。まだ水が引いていないところも・・・

高橋地区の新堀は川を跨いでいて水が引かず近寄ることすらできませんでした

すると

「おもやいさん!トイレ本当にありがとう!どがんでん助かった!」

「おもやいさんの段ボールトイレのあったけん耐えられたよ」

などなどおもやい防災あんしんセットには他にもいろんなグッズが

入っているのですが、声をかけられるのはトイレのことがダントツ1位でした。

水害の時にトイレが使えなくなる・・・浸かったらそれは使えなくて当たり前でしょって思うかもしれないんですが、実は2階のトイレも使えなかったという方もいらっしゃいました。

し尿を流すと下水道に流れます。でも、水害の時はその下水道にまで水が入り込んで、し尿が流せなくなります。逆に下水道からの水が逆流することもあるんです。

実際、高橋でも逆流してきて2階のトイレが水浸しになって大変だったという方もいました。

しかも、トイレが使えないのは水が来ている間だけではありません。

私たちおもやいの事務所も床上40cmだったのですが、

浄化槽の状態を確認することができず災害から1週間トイレが使えない状態でした。そんな時に役に立ったのが、非常用トイレ!

便槽はそのまま使い、流さないで済むようビニール袋と凝固剤を使用

使い方を紙に書き、いろんな人が触らなくて済むようゴミ袋をセット

この非常用トイレは看護師さんからおすすめされたもので、セットのビニール袋が臭いをしっかりと閉じ込めるタイプのものでした。

おかげで8月という灼熱の時期にも臭いに悩まされることなく、すぐに災害ボランティアセンターとして動き出すことができました。

様々な非常用トイレが出ていますが、どの商品でも良いわけではなく、

特に暑い夏に起こりやすい水害常習地域は臭いをシャットダウンできるかを

買うときの目安にされたらいいのではないかと感じました。

ちなみに昨年のあんしんセット更新時に段ボールトイレを使えたかを

確認したのですが

「あなたに練習しときなさいって言われたから作る練習をしておいた。だから災害の時にもちゃんと使えた」

という方と

「練習してなくて災害の時に組み立てようとしたら組み立て方がわからなくて使えなかった」

という方もいらっしゃいました。

「あなたに言われたけど、練習してなくて慌てた。ギリギリ間に合ったけどちゃんと練習しとかんばやった」という方も。

また、「セットを下に置いていて水に浸かってしまった」という方もいました。

高さも素材も違う非常用トイレを何種類か用意して防災教室で使用しています
防災教室で参加者に様々なトイレの座り心地や作りやすさを試してもらっています

『防災グッズを準備しておく』こと、『防災グッズをいつでも使えるように練習しておく』こと、さらに『いざという時に使える場所に置いておくために保管場所を考える』ことがとても大事です。

皆さんもぜひこの3つを考えながら備えてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

前の記事

まさか